「トイレの神様」に隠されたメッセージ(だと僕が解釈するもの)

最近のヒット曲とか関心ないのだが、植田佳奈が「トイレの神様」という10分近くもある曲で紅白に出るというニュースを知ってさっき試しに聞いてみた。



さて、あなたはどう感じただろうか。


僕は悲しくなったり不思議な癒しを感じたと同時に違和感を覚えた。


なんでだろうと歌詞を読みながら頭を捻らせてみて、これはすごい曲だと気づいた。"10年に一度の名曲"とか言われてるようだが誇張ではない。この曲には隠されたメッセージがある。


ネット上でこの曲の感想をいくつか読んでみたが、どれもこの曲がこれだけたくさんの人の心に触れる本質を捉え損ねている。
「なぜ泣けてくるのか分からない」という感想も多い。
「全然感動しない、むしろ不快」という感想も多い。
毀誉褒貶だ。こういった作品には何かがあることが多い。


この曲が「トイレの神様」というタイトルのためか、「子どものときからトイレ掃除を嫌がらずにすることの大切さ」「トイレ掃除は成功への道」を歌っているとか思っている人もいる。

最後に「おばあちゃんありがとう」と繰り返しているからか「恩返しできなかったおばあちゃんへの感謝」「育ててもらった家族に背を向けてしまった罪悪感の懺悔」や「死別の悲しみ」を歌っていると思っている人も多い。

そういう感想があっても別に構わない。この曲は色々な捉え方ができる。人は信じたいものを信じる。

それにそういったメッセージはこの現代の多くの日本人にキャッチーで受け入れ易く、そして何しろ実話という触れ込みだ。この曲が売れた大きな要因はそれらであろう。


しかしそれはこの曲を表面的に捉えたときに見えるメッセージである。
この曲には隠されたメッセージがある。


それは、

「日本の家族のコミュニケーションに潜む悪魔が引き起こす悲劇」だ。


歌詞の中に控えめに添えられた次の箇所は、その悪魔の悲劇を表現している。

どうしてだろう?

人は人を傷つけ、大切なものをなくしてく


植村花菜トイレの神様


両親不在で実家の隣の住むおばあちゃんに育てられた歌い手が受けたであろう悪魔の悲劇。

この曲は、どんな家族のコミュニケーションの中にも生まれうる悪魔の呪縛によって受けた魂の傷を歌によって癒し、悪魔を鎮めようとしているのだ。

気立ての良いお嫁さんになるのが夢だった私は
今日もせっせと、
トイレをピカピカにする


おばあちゃん
おばあちゃん
ありがとう、


おばあちゃん
ホンマに


ありがとう


植村花菜トイレの神様


この曲が多くの日本人にとって感動的なのはそのためだ。
なぜなら多くの日本人が、そのような悪魔の悲劇の被害者だからだ。


もう書くの疲れたのでここらへんにしとくが、気が向いたらもっと歌詞を読み解く記事なども書いてみようと思う。


この曲の隠されたメッセージをもっと深く理解し、悪魔の呪縛による悲劇を解消したいならば次の本がその助けになるでしょう。

ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書)

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ちなみにこの記事は上の本の著者、安冨歩さんのブログ

にインスパイアされて書かれたものです。
よかったらそちらのブログもご覧ください。
アメブロに登録しないと見れない記事もありますが、読み応えがあり、今の僕にとって一番面白いブログです。
登録してでも読む価値は十分あるでしょう。

興味のある方はぜひ読んでみてください。


(参考記事など)

トイレの神様(DVD付)

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あなたは変われる―言葉や態度に傷つけられた心を救う本

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